桐朋中学校・高等学校紹介の【第2回】は
「主体的な学びへ」と題しまして、
桐朋ではどのような授業が行われるのか、またどのような課外活動があるのか
ということをお伝えしていきます。
ご興味がある方は是非
【第1回】「自由な校風で育つ個性と責任」
もお読みください。
自由研究
毎年、夏休みに中学生に宿題として自由研究が課されます。
(高校生には任意の課題として出されます)
「自由」研究というだけあって、テーマには一切制限がなく、生徒たちが自分でテーマを決めて研究に打ち込みます。
自作の小説を書いたり、数学の本格的な証明をしたり、実地調査をしたり、芸術作品を作成したり、十人十色の研究を行います。
もちろん、全員が全員熱心に課題に取り組むわけではありませんが、賞を取るような研究の質には今から振り返っても目をみはるものがあります。
研究の具体的内容をここで紹介することは出来ませんが、優秀作品は毎年、冊子『桐の朋』にまとめられ、桐朋祭等の機会に一般にも公開しています。
是非、足を運んで目を通して頂ければと思います。
クラブ活動
桐朋のクラブ活動はかなり盛んだということが出来ます。
運動系
運動部が活動する場所としてはメイングラウンドの他に専用野球場があり、
また体育館もメインコートの他に専用の柔道場、卓球場などがあるため、
それぞれの部活が充実した環境で活動を行うことが出来ます。
サッカー、野球、バスケットボール、陸上などのメジャー競技では、
勝利を目指して時間と情熱を投資する生徒が数多くおり、顧問の先生も熱心な方が多いです。
一方、オリエンテーリング、スキー、ゴルフなど、競技人口がさほど多くないスポーツでも、
しっかりとクラブがあり活動しています。メジャー競技のクラブに比べると部員数が多くないため、中高6学年が一緒に活動していることが多いです。
(なお、桐朋のオリエンテーリングはインターハイで6連覇するなどの実績もあります)
勝利を目指してガチガチにやりたい人、他者との交流をメインに楽しく運動をしたい人、
どちらの人も充実したクラブ活動を送ることが出来ると思います。
文化系
桐朋は運動系のクラブ活動のみならず、文化系のクラブ活動も盛んです。
いくつか例を紹介しますと、
音楽部は毎年定期演奏会を開催する他、入学式、卒業式などの各種式典での演奏を担当しています。
生物部は桐朋祭(文化祭)の展示でかなりの頻度で最優秀賞を受賞しています。
将棋部・囲碁部は全国優勝したこともあります。
私が運動部だったこともあって、活動実態を詳しく知っているわけではありませんが、
かなり充実した活動を送っていたことが伺えるかと思います。
縄跳び
桐朋の授業の大きな特徴の一つに、短縄跳びがあります。
(以前『東洋経済オンライン』で取り上げられたこともあります)
毎年3学期になると週1回「短縄跳び」の授業があります。
体育手帳なるものに数多の「単独技」とそれに対応する点数が掲載されており、単独技やそれを7つ合わせた「規定」や「自由種目」を合格することで、点数が獲得できるという仕組みです。
授業では特に短縄跳びの指導を受けるということはなく、生徒一人一人が各々の目標に従って自主的に練習を積みます。
高得点を目指す生徒は休み時間や放課後にも積極的に練習し授業中に何度も「検定」に挑戦します。
逆にそこそこでよいと思っている生徒は、授業中も程よく手を抜きながら取り組みます。
どちらのタイプの生徒もきちんと受け入れられるあたりが桐朋らしさであると同時に、高難易度の技に取り組む生徒に対してはクラス全体で応援する雰囲気が出来るのもまた桐朋の魅力です。
生徒による授業
桐朋の授業は講義形式が中心ではあるものの、国語や数学の授業では生徒が授業の解説をすることも数多くあります。
国語では、数人のグループで担当箇所を精読し、それをクラス全体の前で解説するという形式ですが、生徒が作り上げる分穴も多く、その穴をクラスメイトから厳しい指摘によって埋めながら授業が展開されていきます。
数学では、演習の解説を生徒が行う機会がしばしば与えられ、高3になってからは授業の解説の大半を生徒が行うようになります。(教員は補足説明をするのみ)
中には、数学教員を唸らせるほどの解説を行う生徒もいて、探求心・向上心にあふれた授業が展開されます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
【第2回】では、桐朋生の主体性がどのような活動の中で育まれるのか紹介しました。
記事で取り上げたのはあくまで代表的なもので、他にも様々な主体性を伸ばす工夫がなされています。こうした雰囲気が少しでも伝わりましたら幸いです。