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学校紹介 桐朋中学校・高等学校 【第3回】(最終回)桐朋の受験事情

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桐朋中学校・高等学校紹介の【第3回】は

「桐朋受験事情」と題しまして、

桐朋に入学するためにはどのような入試対策が有効なのか、卒業後の進路はどのようになるのか、

ということをお伝えしていきます。

 

ご興味がある方は是非

【第1回】「自由な校風で育つ個性と責任」

【第2回】「主体的な学びへ」

もお読みください。

 

受験対策(中学入試)

各科目ごとに対策を記したいと思います。

 

国語

物語文1題、説明文1題が出題されます。

背景知識を要求する問題ではなく、純粋に文章に書いてある内容を問うてくる問題ばかりです。難解な文章が出ることは稀で、受験生にとっても十分に読みこなせる文章が出題されます。

問題量も多すぎず少なすぎずという感じであるため、日ごろから精緻な読解を続けることが点数アップに繋がるでしょう。

また客観問題だけでなく、数行程度の記述も複数題出題されるため、記述対策は必須となります。

漢字の配点もそれなりにあるので常日頃練習しておく必要があります。

 

算数

非常に差がつきやすい要注意の科目となります。

大問7題程度が出題されますが、第2問までは計算およびかなり基本的な問題なので、算数が苦手な受験生は確実に得点する必要があります。

第3問以降は多少発展的な内容になるものの、他の難関男子校と比較した場合、かなり平易な問題が並んでいると言え、算数が得意な生徒は満点近い点数も十分に狙えるでしょう。

難問・奇問レベルの問題が出題されることはほとんどないため、一般的なテキストを完璧にするだけでほとんど対策は完成します。

注意点としては、

①その場で思考する、見慣れない問題が出題されること

②途中に考え方や式を書かせる問題があること

となります。

ただ、日頃から図や式を丁寧に書き、論理的に飛躍がない解き方をしていれば、大きな障害となることはないでしょう。

 

社会

極めて平易な問題が出題されます。

ただし、深掘りしないかわりに出題範囲は広範囲にわたります。

 

全分野にわたって基本事項をしっかり抑えること(漢字含めて)が出来れば、大半の問題は解けたも同然です。

 

また、表やグラフを読み取れることを記述する問題が出題されますが、常日頃から事象の裏側とその根拠を考えるくせをつけておくと容易に解けるでしょう。

特別な対策をするというより、日々の学習のなかで登場するグラフや表に対して、何が言えるのか、その背景にある事実は何か、ということを答えるようにしておきましょう。

 

理科

国・算・社はオーソドックスな問題が並んでいるのに対して、理科はやや難しい問題と言えるでしょう。

単純に知識や計算技能を問うてくる問題ばかりではなく、目新しい設定で実験をし、その場で思考するといった問題も出題されます。

これらの問題に対しては、知識および計算技能を習得していることが前提で、それを基に自分で考えていく力が必要です。

市販されている問題集ではなかなか同様の問題がないので、過去問演習が一番の対策になるでしょう。

また、日常目にする自然現象に対して、今もっている知識をつかって仮説を立ててみるのも良い対策となるでしょう。

 

総合すると…

普通の問題を普通の形式で出すよ

というのが桐朋のスタンスのようです。

 

日頃から論理的に考えること、それをきちんと伝わるようにアウトプットすること

が対策に根幹をなしていると言えるでしょう。

算数や社会では高得点が狙いやすいため、合格のためには是非得意科目にしておきたいところです。

 

 

進学実績

桐朋を卒業したあと、半数弱の人は大学へ進学します。

進学先としては、やはりお隣一橋大学への進学者が多いです。

他には東大や東工大をはじめとする国立大、医学部、また早慶などの私立に進学する人が多い印象です。

近年は進学実績の低迷が目立ち、いわゆる難関大への進学者数は年々減少しています。

学生の学力という面ではこの10年ほどで大きく低下してしまったと言わざるを得ません。

 

そして、半数強が予備校へ進学?!することとなります。

かつては早慶に合格した者の、国立大の合格を狙って浪人を選ぶという学生も一定数おりました。(校歌にある「志いや高く」の精神が如実に現れていると思います。)

ただ、近年はだいぶ様相が異なります。学力の低下と安定志向も相まって、指定校推薦で早慶に行く学生も増加し、ましてや早慶を蹴ってまで国立のために浪人する学生は皆無に等しくなっています。

個人的な考えではありますが、どこか残念な気持ちにさせられます。(決して浪人することはほめられたことではないですが…)

 

やはりどこまでも自由を謳歌する学校なので、授業とはあくまで知的好奇心を刺激する場であり、受験勉強は自分でやりなさい、というスタンスなんだと思われます。

 

進学実績低下の要因は様々に言われておりますが、

「自ら考え、自ら実行する」

という力を持った学生が減ってしまったことが大きいのではないでしょうか。

(近年受験競争が過熱する中で、与えすぎる、管理しすぎる、詰め込みすぎることに対しては、違和感を抱かざるを得ません)

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。

【第3回】(最終回)では、桐朋の受験事情についてまとめました。

この記事を読んで桐朋に興味を持った、桐朋に合格した、という方が一人でもいましたら幸いです。

 

記事に載せた内容以外にお聞きしたいことや、受験対策のご希望がありましたら、別途お問い合せ頂ければと思います。

 

 

 

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