こんにちは!個別指導塾フォルテ国立校でインターンをしている小坂です。
今回は一橋大学の日本史の対策について書いていきたいと思います。
私は、2020年入試・日本史選択で一橋大学を受験し、合格しました!
国立や武蔵小金井は、一橋大学に近いこともあって、一橋志望の方が多くいらっしゃいます。
今回は、自分が実際に受験した時の経験と、フォルテでの指導経験を活かして、
一橋の日本史勉強法について書いていきたいと思います。
一橋大学の日本史は、
・論述問題がメインで
・高校範囲を超えるほどの深い知識が求められる
ということで、大学受験日本史で最も難しいと言われています。
これまでも、意表を突いた出題が多数なされ、数多くの受験生が一橋日本史に苦しめられてきました。
しかし、そんな一橋日本史にも弱点があり、正しい対策をすれば、合格点を取ることは可能です!
「じゃあどんな対策をすればいいの?」と思った皆さん!
ぜひこのブログを最後まで読んでいってください!
傾向と概要
基本情報
一橋の日本史は、
・試験時間120分
・大問3問、すべて400字論述
となっています。
一橋日本史の特徴
一橋大学の日本史の特徴、1つ目は、
「大問1つの中に小問がいくつかあり、小問ごとに400字を自分で配分していく」
ということです。
まれに小問として語句問題が出題されますが、語句問題を答える字数も400字の中に含まれます。
論術に関しては、「この小問は短めに書く、この小問は長めに書く」ということを自分で決める必要があります。この文字数配分の感覚を鍛えるには、過去問を用いた練習をかなり積む必要があります。
2つ目は
「求められる知識レベルが非常に高い」
ということです。通常、国公立大学の日本史問題は、論述である代わりに求められる知識レベルはそれほど高くないことが多いです。しかし、一橋日本史では、早慶レベルの難易度が高い語句が平気で問われます。国公立の難しさと私立の難しさが融合した試験が、一橋日本史です。
出題される分野
一橋大学は社会科学専門の大学ということで、かつては社会経済史中心の出題でした。
しかし、近年、政治史・文化史などの出題も増えてきています。
特に、2019年は、多くの一橋受験生が対策をおろそかにしていた文化史がメインで出題され、大きな話題になりました。
よって、受験生は、社会経済史に偏らない幅広い対策が必要になります。
具体的な出題テーマとしては
前近代:律令制・惣村・御成敗式目・近世の村・江戸の3大改革など
近現代:産業革命・金融恐慌・民主化政策・憲法・高度経済成長など
が挙げられます。
第1問で前近代(近現代の場合もあり)、第2・3問は近現代が出題されます。
一橋日本史の弱点とは?
さて、ここまでの話だと、「もはや一橋日本史には太刀打ちできないのでは?」と思った方も多いでしょう。しかし、そんな一橋日本史にも弱点があります。
①過去問の類題が非常に多い
一橋日本史は、他の大学に比べても、過去問に似た問題が多く出題される傾向にあります。よって、過去問をしっかりやりこんでいれば点を取れる場合も多いです。
(実際、私は入試当日の昼休み、日本史の試験開始の直前まで過去問を読み込んでいました。すると、直後の入試でついさっき見ていた問題の類題が出題され、とてもラッキーでした笑)
②難しい問題はそもそも解ける人が非常に少ない
一橋大学の日本史の中でも難易度が高い問題は、高校日本史の範囲を大きく超えている場合も多く、そもそも解ける人はほとんどいません。よって、難易度の高い問題が合否に与えるインパクトは意外と少ないのです。
一橋日本史で重要なのは、ほとんどの人ができない難易度の高い問題を正解することではなく、多くの人が解ける問題を100%取り切ることです。
一橋日本史への対策
一橋日本史は、次の3つのプロセスで対策をしましょう!
①共通テストレベルの語句の暗記
②論述の作法を身につける
③一橋に特化した対策
①共通テストレベルの語句の暗記
先ほども述べたように、一橋は近年、出題範囲が広がってきており、文化史など細かいところも丁寧に押さえておく必要があります。とはいえ、全ての分野を早慶レベルまで完璧に押さえると時間が無くなってしまうので、最低限、共通テストレベルの語句は確実に覚えておくようにしましょう。
(例えば東進1問1答であれば、☆2と3の語句を覚えておけば十分です。)
目安としては、9月頃に通史が一通り終わっていれば十分です。(もちろん、それより早くてもOKです!)
②論述の作法を身につける
論術は、インプットとアウトプットの両輪で対策をすることが重要です。
【インプット】
論述対策のためには、
・日本史を流れで覚える
・頻出のフレーズや言い回しを覚える
ことが必要になります。インプット用の教材を読み込み、自分で使える言い回しを増やしていきましょう。
おすすめ教材は
『日本史の論点 -論述力を鍛えるトピック60-』(駿台文庫)です。
論述にそのまま使えるフレーズがてんこ盛りで、これを読み込むことで論述問題にかなり対応できるようになります。
【アウトプット】
参考書や他大の過去問を使って、アウトプットしていきます。
ここで注意したいのが、初めから一橋日本史の過去問を使わないということです。
一橋の日本史はかなり特殊な問題が多いので、論述の基本的な書き方を身につけるには、もっと易しいものから始めた方が良いでしょう。
おすすめ教材は
『“考える”日本史論述ー 「覚える」から「理解する」へ』(河合出版)
『段階式日本史論述トレーニング』(Z会出版)
京都大学や大阪大学の過去問
などがあります。参考書に関しては、自分に合うものを1冊見つけて、1冊をやりこみましょう。
【復習】
問題をただ解くだけでなく、復習をきちんとやってこそ、本物の実力をつけることができます。復習の際は、以下のポイントに注目してやってみてください!
・自分の解答と模範解答を見比べ、要素の過不足を把握し、なぜその要素が必要だったのか、もしくは不要だったのかを検討する
・論理的なつながりの悪さ、冗長に書いてしまった部分などを修正
・模範解答の良い表現を真似し、覚える
・解説や教科書、参考書などを読み、テーマについて深堀する
この際に、自分の書いた答案を客観的に評価してもらうために、添削をしてもらうこともお薦めです。
③一橋に特化した対策
②で論述問題の基本的な書き方が分かったら、あとはとにかく量をこなすのみです!
先ほども述べたように、一橋は過去問の類題が多く出題されますから、なるべく多くの過去問を何回も解いておくことが重要です。
できれば、『一橋大学の日本史20カ年』はすべてやりましょう!
最後に
一橋日本史は難易度が高いですが、重要なのは、「難易度の高い問題を正解すること」よりも「みんなが解ける問題を確実に取ること」です。
よって、一橋日本史では、知識量よりも知識の確実さがものを言います。
勉強の中で出会った知識を確実なものにできるよう、何度も反復しましょう。
1つ1つ着実に積み上げていけば、確実に合格点を取れるようになります!
この記事を書いた人
小坂駿太(20)
・一橋大学商学部3年生
・個別指導塾フォルテインターン生(1年半やってます)
主に国立校に勤務していて、広報活動も行っています。
・実は高校時代、私は世界史選択で、高2までは「日本史A」しか学習していませんでした。しかし、地歴が2科目必要な東大を受ける可能性があったため、高校の日本史特別クラスに入り、東大を受験する世界史選択の友達らと高3から日本史を始めました。先生1人に対して生徒3人という少人数クラスで、非常に楽しかったです笑
・音楽が好きで、吹奏楽部で打楽器をやっています。
参考
この記事は、私が、一橋受験生を応援するYouTubeチャンネル「バシカツ!」に提供した動画をもとに作成しています。バシカツの動画リンクも貼っておくので、ぜひご覧ください!
(私が一橋日本史について25分ほど語っています)