中学入試がもう2週間後に迫ってきました。
直前の様々な対策をされている方が多いかと思います。
今回の記事では、私の出身校である武蔵中学校の算数に関して、直前で見直しておくべきことをまとめておきます。
【前提】答えそのものではなく、答えを導出する過程が重要
武蔵志望の方であれば、武蔵の算数のほとんどの問題が記述形式であることはご存知のことと思います。
答えを合わせることはとても大事なことですが、
武蔵ではそれ以上にその答えをどのようにして導いたのかが重要視されています。
それがよくわかるお話が塾向けの説明会の中でありました。
2018年度の3⃣(1)の問題について、
こちらは不定方程式というのをテーマにした問題で、勘がいい方であればすぐに答えを思いつく問題であったと思います。
しかしこの問題について説明会の中では、
「(答えのみの回答は)私たちの求めるものではない。」
と断言されていました。
採点基準は明示されていませんが、答えがあっていても高得点はもらえなかったのではないかと思います。
答えの導出過程を答案に書く練習をすること。
これが直前にできる最も有効な対策になるのではないかと思います。
万が一本番で計算ミスや、ちょっとした数え間違いなどをしてしまった時でも、
考え方をしっかりとかけていれば、そこにちゃんと点数がいただける可能性が高いです。
そのため、算数で高得点を目指し、また算数の得点を安定させるために、記述の書き方を練習しておくことは必須です。
しかし、残り2週間でできる対策は限られます。
そこで短期間で成果を上げられる記述の書き方をご紹介します。
1、数字を丁寧に書く
採点する人が読みやすい字で回答を書くことは基本中の基本です。
時間との兼ね合いがあるため、習字のようにきれいな字で書け、とはもちろん言いません。
ただ、多くの生徒さんの答案を添削していると、「0と6」や「5と9」、「7と9」の判別が難しい答案をよく見かけます。
自分自身、計算ミスをしてしまう要因にもなりますし、
採点する側からしても、答案の数値がどこから導き出されたのか判断するのに困ってしまう場合が多く、部分点を上げにくくなります。
答案を見直して、判別しにくい数字を書いてしまっていないか確認をしましょう。
2、自分の回答の順番を明記する
考えたこと、式をを順番に書いていくことも答案作成の上では基本と言えるでしょう。
しかし、武蔵のように解答欄が大きなると、式や図があちこちにばらばらになってしまっている答案が見られます。
特に頭の回転が速いタイプの子によくみられる特徴です。
答案を採点する際には、極力どの順番で思考したのかを判別するようにはしますが、
正直追いかけるのが難しい答案も少なくありません。
これに関しては、すぐにできる対策が二つあります。
①答案を書く前に、答案用紙の真ん中に縦線を引き、回答欄を半分に分けること
②自分の答案に矢印を書くこと
①に関しては、回答欄を半分に分け、「左側を書いた後に右側に書く」というごく簡単なルールに従うだけで、驚くほど答案の質が改善することがあります。
たてにも横にも広い回答欄では、左右上下に式が飛んで行ってしまう可能性がありますが、
線で区切ることで飛んで行ってしまう場所が制限される傾向にあります。
②に関しては、①を実施したとしても、夢中で考えるうちに式があちこちに行ってしまうことは誰しもあることです。
そこで、最低限、この式の次はどこに飛ぶのか、を矢印で示してあげることで、採点する人が読み取りやすくなります。
3、何を求めたのか、何を求めるのか、を明記する
3つ目は少しレベルがあがりますが、式の中で自分が一体何を求めているのかを明記することで、答案の読みやすさが格段に上がります。
例えば図形の問題で多いのですが、答案の式がどの部分を求めているのか、判別が難しい場合があります。
その時にその数値の横に、カッコつきなどで構わないので、どことどこの比なのか、またどこの面積、長さなのか、が書かれているだけで、
自分が何をやっているのかを採点する人に伝えることができます。
また、自分の手を動かして書き出すような問題では、
一言どういう方針で書き出していくのかを書いておくといいでしょう。
例えば、途中で終わってしまったり、書き間違えてしまったりして答えまでたどりつかなかったとしても、
その方針に従って書いていけば正答にたどり着くようなものであれば、かなり高得点をもらえる可能性があります。
逆に方針が書いておらず、数字の羅列で終わってしまっている場合、
それを読み取ってもらえるかどうかわかりません。
この辺りに関しては、別記事の分野別対策にて、詳しく解説する予定です。
4、最後に
採点官は答案採点のプロです。
かなり雑な答案も見慣れている方たちですので、許容度はかなり広いはずです。
しかし、数字が雑であったり、どの順番で式が書かれているかもわからない答案は、部分点を上げることが出来ません。
今回の記事では、すぐにできて、効果が高い記述の書き方について解説しました。
あまり神経質になる必要はなりませんが、採点官に読んでもらえるような、記述をかけるように、上記の3点を心がけてみてください。
分野別の対策方法も間もなく書いていきますので、ぜひご覧ください。
ご質問・ご相談がある場合にはぜひお問合せ下さい。