3回に分け、桐朋中の国語を解説していきます。
0、桐朋の国語の特徴は?
1、国語が得意ではない子が、合格点に達するには?
2、国語が得意な子が、他と差をつけるためには?
0、桐朋の国語の特徴は?
「知識、漢字」・「読解」の2つに分けて解説します。
「知識・漢字」
非常に基本的な問題となっています。
小学校範囲の漢字を、
小学校範囲の語彙で問われます。(漢字は簡単でも、語彙が難しくて思いつけないということはないはず。)
知識は、ごく標準的な慣用句や四字熟語を知っていれば対応できます。
「読解」
さらに本文と設問に分けて解説します。
本文 ×ストーリー 〇考え方・感じ方・表現
一般的な分類をすると、
随筆、物語文が出題の中心と言えます。
語彙レベルは高くありません。
(例えば2019年大問1だと、「律儀」、「便箋」が一番難しいと思われる語彙
大問2だと、「教鞭をとる」、「風刺」が一番難しい語彙。)
内容の抽象度も高くなく、
総じて、ただ読んで理解をする点で困難はないと思われます。
ただし、桐朋の国語で多く出されるのは、
「ストーリー展開ではなく、考え方・感じ方・表現で読ませる文」です。
物語文(フィクション)であっても、
文章が一人称で書かれることが多く、随筆的な文が多いと言った方が良いでしょう。
「自分の感じたこと、考えたことを、体験と合わせて語る」文であり、
標準的な物語文(「わかりやすいストーリーがあり、その中での登場人物の変化を描く」)ではなく、
「小さな出来事、人との会話、体験を通して、少しずつ考えや気持ちが変わっていく」という文章であることが多くあります。
つまり、
「流れがわかりやすく並べられ、展開(ストーリー)で読ませる文」ではなく、
「語り手の考えや感じたことを、考えや気持ち自体と表現で読ませる文」が出題されています。
まとめると、
読んで大体理解するのは簡単だが、
正確に読み解く(問題に答える)のには骨が折れる 文章といえます。
(ただ、標準的な物語文であることもあります。)
似た文章を出す学校をあげると、
筑駒などになります。
(随筆を出すことがある学校)
設問
形式で見ると、
記述問題、選択肢問題、空欄補充、接続詞補充、脱文補充などさまざまです。
また、
問われる内容で見ても、
登場人物(筆者)の気持ち・考え自体や、気持ち・考えの背景に加え、
気持ち・考えの移り変わりの理解を問う問題・まとめる問題、
さらに「なぜその表現を選んだか?」という、
表現の意図まで幅広く問われます。
その中でも、
難易度が高いのは、
気持ち・考えの移り変わりの理解を問う問題・まとめる問題、
及び、表現の意図を問う設問です。
表現の意図を問う問題は他校ではほぼ見られず、
桐朋中学国語の独自の視点ということができます。
それでは、
このような桐朋の国語の問題に向けて、
どのような学習をしていく必要があるのか、
次回、書いていきたいと思います。