中高一貫校に通う生徒さんからこのような相談を受けます。
『うちの子が授業についていけなくて、、、』
『うちの子が全然勉強しないんです。何とかしてください』
その子供たちは中学受験において優秀な成績をとり、
いわゆる難関校に合格した子供たちです。
その子たちがわずか数年でなぜこのような状況に陥ってしまうのでしょうか。
それは大手塾や集団塾の中学受験に対するスタンスが、
この一助となってしまっていると感じます。
失敗①,「勉強」=「やらされるもの」
大手の中学受験塾を中心に
『子どもの合格こそが正義』と考えている塾・講師は非常に多いと感じます。
小学生としての数年間、
一生懸命勉強してきたのだから。
多少無理をさせたって、
なんとか合格させてあげる。
それが『その子のため、保護者の方のためになる』。
そう考えて全力で指導する。
なんとか合格させるために、
・とりあえず量をつませる
(なぜその問題を解くのか、なぜ暗記するのかを説明しない)
・目に見える成績別クラスとし、競争をあおる
・目標として、模試の偏差値を設定する
・宿題をさぼったら怒り、絶対にやってこさせる etc.
そして、
残念ながら合格を掴みとれなかった子たちには申し訳なさを感じつつ、
それでも多くの子が合格を勝ち取り喜んでいる姿を見て、
『この方針で間違っていなかった!』
とほっと息をなでおろす。
しかし、
それから1~2年経ったのち、
晴れて難関校に合格したその子たちが、
成績不良を理由に私たちの個別指導塾を訪れます。
『中学の成績が悪く、高校への進学が危ない』
大手塾に通って大学付属校に合格した中学2年生のA君からのご連絡でした。
『中学に入って全く勉強をしなくなってしまった。』
難関私立中学に通うB君からもご相談をいただきました。
さらに、似たような問い合わせがもう1件、2件、、、
みな共通しているのは、
中学受験に成功しているにもかかわらず、
中学の早い段階で成績不良に陥ってしまっているということ。
そしれ多かれ少なかれ、勉強に忌避感を持ってしまっているということでした。
中学に入って勉強しなくなった原因の一端は、中学受験時の勉強の仕方にある。
そう私たちは考えています。
勉強を「やらされる」環境にいたために、
勉強は「やらされるもの」になってしまったのだと。
冷静になって考えてみれば当たり前のことです。
子どもたちにとって初めての「勉強」が「やらされるもの」だったのだから、
中学生になったからといって急に違うやり方ができるわけがないのです。
中学に入って、『自分で勉強しろ』と言われても
そもそも何をやっていいかわからないし、
強制力がないからやりたくもない。
「勉強」=「やらされるもの」
中学受験で志望校に合格できても、
このような考え方が染みついてしまうことは本当に中学受験の成功と言えるでしょうか。
では、「勉強」を「やらされるもの」ではなく、
「自分でやるもの」にしてもらうために、
どうすればいいのか?
次回以降、
「自分でやるもの」にしてもらう模索の中で犯してきた失敗を
共有していきたいと思います。