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学校紹介 武蔵高等学校・中学校 第2回 入試対策(国語・算数)

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入試問題は『学校の顔』ともいわれます。

というのも入試問題にはその学校が受験生にどのような力を求めているのかが如実に表れるからです。

今回は私の母校である武蔵中学校の入試傾向を書いていこうと思います。

自身の入試の時から現在に至るまで30年以上の入試問題に触れてきました。

だからこそわかる傾向の変化、最新の傾向について書ければと思います。

 

国語の対策~節度ある自由さ~

出題形式・傾向

武蔵の国語を見てまず気がつくことは、記述問題の多さでしょう。

武蔵は文章は1題のみで試験時間は50分間。毎年配点のほとんどを記述問題が占めています。文字数や行数指定のない『完全自由記述』が圧倒的に多いですが、近年は行数制限付きの『半自由記述』の出題も見られます。

また、漢字の書き取りはほとんどの年で出題されており、最近は言葉の知識を問う問題も増えてきています。

文章の傾向は10年ほど前までは圧倒的に物語文の出題が多かったものの、最近は随筆や評論文の出題も見られるようになりました。

 

分析と入試対策

まず問題文に関してですが、近年は小説だけでなく評論、随筆も出題されるため、様々な文章に触れておくことが重要でしょう。

また漢字や言葉の知識はしっかりとやっておくべきです。

これらは他の学校の対策と変わりありませんね。

武蔵の国語の入試対策に特に大事になってくるのは記述問題対策です。

特別なことをする必要はないですが、武蔵の過去問を何度も解いて、日本語として正しい文章が書けているか、自分の言いたいことが伝わる文章になっているか、添削をしてもらうことが重要です。

また従来武蔵の記述では

『正解の要素になりそうなものはすべて盛り込め』と言われてきましたが、

半自由記述の登場により

『何でもかんでも書けばいいということでなく、正解の要素を的確にまとめなさい』というのが学校の意図だということが明らかになりました。

日本語として正しく、簡潔な表現を扱えるように練習しましょう。

生徒に指導する際は、『記述の型』を教えるようにしています。

『記述の型』を学ぶことによって、何を書くべきなのかが明確になり、簡潔に回答をまとめやすくなります。たとえば物語文では、『出来事⇒気持ちの変化⇒行動や表情』という基本的な流れをおさえた上で、様々な問題のバリエーションに対応できるように指導しています。

 

算数~正答に至る道筋を論理的に説明する力~

出題形式・傾向

武蔵の算数は例年4問構成。

それぞれの問いには小問が作られていることが多くなっています。

出題分野としては、平面図形、速さ、場合の数の出題頻度が非常に高くなっています。

答えのみを問う問題もあるものの、ほとんどの問題は記述式になっており、途中式や考え方を書く必要があります。

問題の難易度としては、基本問題レベルの易問が出題されることもある一方、初めて見るような問題で、自力で条件を整理し考えることを要求される問題の出題も多くなっています。

分析と入試対策

ある年の武蔵の塾向けの入試報告会で印象的だった内容があります。

その年の入試問題で、武蔵レベルを受ける子であれば立式は出来るであろうが、式の中に未知数が二つ出てきてしまうため、工夫をしないとその式を解くことが出来ないというものでした。

その問題は整数という条件から絞っていく(大学受験風に言えば不定方程式)のが正攻法だったのですが、受験生の中には未知数をランダムに当てはめて正答に至っている者が見られたそうです。

そのような回答に対して『採点基準は明言できないが、少なくともそのような答案は我々の求めているものではない』と明言されたのです。

ここから考えられるのは、武蔵はいわゆるセンスを持っている子を求めているわけではないということ。(当てはめで正解を導き出せる子は数字的なセンスはかなり高いと思うので)

ではどういう子が求められているかというと、『正答に至る道筋を論理的に説明できる子』なのではないでしょうか。

これをもとに対策を考えるとするなら、常に論理の飛躍なく式や考え方を説明できるようにすることが大切でしょう。

ただ問題が解ければいいのではなく、道筋があっていたのかをしっかり見てもらうべきです。

特に場合の数の出題は特殊で手を動かさなければならない問題が非常に多いため、過去問を中心に練習が必要になるでしょう。

算数の基本を早めに習得したうえで、過去問演習を通じて武蔵の問題に慣れ、添削を通じて的確な式・記述が書けるように指導しています。

 

社会と理科の対策は続きの記事で書きましたので、ご覧ください。

学校紹介 武蔵高等学校・中学校 第3回 入試対策(社会・理科)

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