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【大学受験】一橋大学の世界史攻略法

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前回は一橋大学の数学の攻略法について書いていただきました。

【大学受験】一橋数学で高得点を狙う対策

 

今回は一橋大学の世界史の対策について書いていただきたいと思います。

一橋の世界史といえば、出題される範囲は絞り混みやすいものの、

かなり詳細な知識を必要とされるため、特殊な対策を要することで有名ですね。

今回は数学と世界史が武器だったと語る、一橋経済学部の方に記事を書いていただきました。

 

 

一橋大学の入試について(世界史)

傾向と概要

一橋の世界史は、試験時間120分で大問を3つ、1問に1つ与えられた400字詰めの解答欄に文章を書く形式で解いていきます。大きな特徴の一つとして大問ごとに傾向が定まっていることが挙げられます。第1問は中世ヨーロッパ、第2問は近代~現代史、第3問は近代以降のアジア史(2020年はルターの宗教改革、イギリスからアメリカへの覇権交代過程、朝鮮の小中華思想と、おおむね傾向通りの出題でした)が頻繁に出題され、それ以外の分野からの出題(古代史、非ヨーロッパ地域の前近代史など)は非常に少ないです。

この試験の難しさは、世界史の論述試験全般に見られるものと一橋世界史特有のものに分かれます。前者は知識とそれら相互のつながりを思い起こして通史を再現すること、そしてそれを問題に対する答えとなるような文章に再構成することです。これは、普段の勉強から大局的視点を意識したインプットを心がけたり、問題文で問われていることをリストアップするというように、難しさを強く意識することである程度克服が見込めるものです。

一方後者は、一言で言えば題意を汲み取ることの難しさになるでしょう。一橋世界史では、教科書の記述がそのまま答えになるような、単純に歴史の流れだけを問う問題は少なく(ただし第3問はこのタイプが多く、したがって一橋世界史の中では得点源となります)、一つの視点が与えられ、それに沿って歴史的意義の考察も含め答案を作ることを要求されるものが多いです。この視点がだいたいユニークなものなので、出題者が何を書かせたくてこの問題を出しているのかを把握するのにまず時間をかけなければいけません。この難しさに対応するためには、やはり普段の勉強のことになりますが、出来るだけ多くの視点に対応できるように一つの歴史的事象を多面的に捉える必要があります(例えば三十年戦争は最初で最後の国際的宗教戦争であり、近代戦争法誕生やフランス・スウェーデンの台頭のきっかけであり、神聖ローマ帝国の事実上の滅亡であり、条約と勢力均衡に基づく近代主権国家体制の幕開けである、という感じです。パッと思いつくものを挙げましたがまだあると思います。『三十年戦争-1618〜1648年-ウェストファリア条約』だけではダメなのです)。

 

一橋世界史への対策

教科書、参考書は複数用意する

一番最初に述べた通り、一橋世界史の出題範囲は比較的狭いです。そのため、短いタイムスパンで細かい流れを問われることがどうしても多くなります(特に第1問)。出題範囲にあたる部分については、かなり深い部分までインプットする必要があります(私大用の一問一答をやれ、ということではありません。教科書で十分です)。世界史のインプットの基本ですが、参照する教科書・参考書は複数ある方がよいです。検定教科書間であっても、執筆者によってどの分野に力が入っているかは違うものです。僕が学校の教科書(山川出版社)以外に使っていたのは、東京書籍・帝国書院の世界史Bの教科書と東進ブックス『荒巻の新世界史の見取り図』です。特に『見取り図』は非常におすすめです。論述に不可欠な知識と流れがわかりやすく書かれています。

 

とりあえず過去問を触ってみる

論述対策の知識や流れは、論述のためにインプットするのですから、実際に書けるようにしておかなければいけません。しかし、実際に知識を文章に起こすというのはとても難しいことです。というのは、ある知識を使って文章を書こうとするとき、その知識がうろ覚えだったら書けないのはもちろんですが、その知識を完璧に定着させていたとしてもその近くにある別の知識やそれらを繋ぐ流れがうろ覚えだと筋の通った文章にはなりません。減点必至です。こういうことを見越して工夫してインプットしなければいけないのですが、この辺りのさじ加減は実際に体感してみないとどうしてもわかりません。そういう意味で早くに過去問を少し触ってみるというのは、文章を書くことの難しさを体感して今後の勉強のしかたと向き合う機会になると思います。おすすめです。

 

教科書の要約を使って大局的な流れをつかむ

一方で、こうした教科書の記述を追うインプットではなかなか頭に入りにくいのが大局的な流れです。これに関しては、教科書の随所にある要約の記述が役に立ちます。山川や東京書籍は各章の最初のページでその章の内容をまとめています(特に東京書籍の記述は優秀です)し、帝国書院はもっと細かく各節ごとに簡潔にまとめています。このような記述は見落とされがちですが、論述試験の受験生にとっては宝の山だと思います。

 

年代暗記をする

インプット関連で話題をもう一つ。年号についてです。論述試験の受験生は年号をおろそかにしがちかも知れませんが、年代暗記は論述試験で真価を発揮します。文章で歴史を綴る以上、時系列だけは間違えないようにしないといけません。時系列が間違っていれば、正しい結論にたどり着くことはできません。逆に時系列がわかれば、万が一流れにうろ覚えな部分があったとしても類推が効くことがあります。年代暗記には語呂合わせが効果的です。

 

信頼できる先生を見つける

実は、これは過去問を解き始めてから気づくことですが、少なくとも一橋世界史においては上記の狭い出題範囲の中でもさらに頻出論点が決まっています。第1問では5世紀から10世紀の西ヨーロッパ中世世界の成立(いわゆるピレンヌ・テーゼ)や大航海時代近辺の商業・価格革命などの諸論点、第2問では1850-70年代のいわゆる帝国主義前夜から第2次大戦にかけて、第3問では東アジア・インド史がこれにあたります。こうした話題は、大枠を知っておくだけでかなりのアドバンテージになります。というのは、こうした話題が論述で出たとき、書くべき情報それ自体は教科書に書いてありますが、どういう軸でそれを並べればよいかは多くの場合書かれていないのです。これを対策するには、信頼できる先生の講義を受けることが非常に効率的です。また、信頼できる先生を見つければ、論述試験に必須といえる添削もお願いできます。

 

最後に

最後に、細かいですが重要なことを述べたいと思います。論述世界史という試験の性格についてです。学習が進み、過去問に取りかかるような時期になると、問題文に「政治的要因」「経済的意義」という形で「政治」「経済」「宗教」「文化」「社会」という単語を見る機会が増えると思います。これらは、一般的に文明を分析する際の単位となりますが、実際のところ画一的な定義が共有されているわけではありません。つまり、同じ「政治的要因」でも出題者によって指すものが違うということがあり得ます。自分が「これは『政治的要因』に当てはまるだろう」と考えて書いたものでも、採点者の認識次第では減点をもらってしまうかもしれません。これは上記の五単語だけに当てはまるものでは当然ありません。こういった事情から、論述世界史はある程度理不尽な科目だ、という認識を持って欲しいのです。捨てろと言っているわけではなく、それも難しさとして受け止めて欲しいということです。とはいえ、この難しさに関して僕たちができることは、問題に対して真摯に向き合うことくらいでしょう。自分の考える「政治的要因」はこれです、ということを誰がどうみてもわかるように明確に書いたら、後は運に任せるしかありません。そういう科目と考え、他の科目も疎かにせず勉強するのが理想だと思います。

 

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