教育情報

東京多摩地区の中学受験事情①

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東京都の23区部と、多摩地区では、受験事情が異なります。

この記事では、近年の多摩地域における中学受験の状況を、中学受験者数の変遷を中心に解説します。

 

【多摩地域の中学受験者数の変遷】

多摩地域の学校の2021年の受験者数は約22600 名で、2020年の約 23500名より約900名減少となりました(『中学受験版 受験マニアックス』 2021年3月号より)。

特に、偏差値60以上の学校(明大明治・早稲田実業)でやや受験者が減少し、偏差値40後半の学校で受験者の増加がみられました。

これは、コロナ禍の影響で、安全志向が働いたからだと思われます。

ただし、偏差値60以上の難関校に関しては、合格可能性が低いことを承知で受けるいわゆる「チャレンジ層」が受験を控えたため受験者が減少しただけであり、合格難易度自体は変化しなかったと推測されます。

2022年入試では、再び志望者増加が見込まれます。コロナ禍で、公立校のコロナ対応の遅れや質の低さが露呈したことで、対応力の高い私立中高一貫校の人気が高まると考えられるほか、「高校や大学での教育改革に対応できる学校に行かせたい」という考えを持つ親も増えてきており、中学受験熱は過熱する一方だと思われます。

 

【多摩地域の有名校の受験者数の推移】

・早稲田実業学校中等部

(早稲田実業中等部HP、声の教育社『早稲田実業学校中等部 9年間スーパー過去問』2021年度用 より作成)

多摩地域屈指の実力を誇る大学附属校・早稲田実業は、全体的に受験者数が減少傾向にあります。しかし、2022年より、男子の定員が85人から70人に減少することから、倍率が上がる可能性があります。

 

・桐朋中学校

(桐朋中HPより作成、第1日程のみの情報)

個別指導塾フォルテ国立校のすぐ近くにあり、塾長の出身中学でもある桐朋中は、多摩地域の中では比較的優秀な生徒が集まる男子校です。倍率は2倍から2.5倍の間で安定しており、今後も継続していくと推測されます。

 

・中央大学附属中学校

(中央大学附属中学校HPより作成、第1日程のみの情報)

多摩地域で人気の大学附属校である中央大学附属は、2020年から2021年にかけては倍率が減少したものの、このまま人気がなくなっていくわけではないと思われます。また、男子よりも女子の方が高倍率なのが特徴になっています。

 

 

【公立中高一貫校の台頭】

多摩地域には、私立中学だけでなく、公立中高一貫校も存在します。公立中高一貫校では、私立ほどお金はかからない一方で、地元の公立中学よりも質の高い教育を受けられることから、人気を博しています。

多摩地域の公立中高一貫校で有名な立川国際中等教育学校の受験者数の変遷を見てみましょう。

(立川国際中等教育学校HPより作成)

男子は2020年から2021年にかけて増加、女子は減少となっています。いずれにしても、上で見た多摩地域の私立中学よりも倍率が高く、厳しい競争を強いられるといえます。

 

今回は、多摩地域の中学受験の状況を受験者数の推移を中心に見ていきましたが、いかがでしたか?次回は、多摩地域の中学受験に関して、私たちの経験をもとに、より定性的な観点から見ていきます。合わせてお読みください。

東京多摩地区の中学受験事情②

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