卒業生コラム

【東大合格者が語る】過去問との付き合い方(英語・地歴編)

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前回に引き続き、現役東大合格者に過去問との付き合い方について紹介していただきます。

今回は英語と地歴について書いていただきました。

国語と数学に関しては以下の記事をご覧ください。

【東大合格者が語る】過去問との付き合い方(国語・数学編)

 

さて、それでは英語と地歴に入ります。

 

【英語・筆記】

英語の過去問も数学と同様、基礎が固まるまで手を付けないでください。

 

基礎が固まる

=入試レベルの単語を押さえる+時間無制限でほぼ合格点が取れる

だと思っていただければいいと思います。

東大の英語は1問1問の難易度が高いわけではありませんが、制限時間に対して分量がかなり多いのが特徴です。

そのため、まずは時間制限がなければ、しっかりと問題を解き切ることができるレベルになるのが優先です。

 

私が本格的に過去問を解き始めたのはセンター後でした。

理由①:英語の過去問のみ解き続けても大きく点数は上がらないことが多い。東大の英語は各分野から満遍なく出題されるので、過去問演習で特定分野の対策をすることが難しい。そのため、センター前は弱点を潰すことを優先し、センター後に自分の決めた時間配分で解き切る訓練をすれば良いと考えた。

理由②:他の教科でやるべきことがあった。

 

二つ目の理由が意外と重要。英語は短期間で点数を上げることが難しい科目です。模試でそこそこ点数が取れる場合、センター前に英語を得点源にする努力より、苦手科目を合格者平均レベルに引き上げる努力の方が大切だからです。

 

英語が苦手な人も、過去問を解きまくるより自分の弱点に合った対策を進めたほうが、本格的に過去問演習を始めた際の点数の伸びが早いと思います。ただし、過去問を本格的に始める前も時間を常に意識した演習が必要です。

 

過去問のコツ④:過去問は時間配分の練習として使う。

時間無制限なら目標点を取れる段階に進んだら、過去問対策を本格的に始めましょう。

東大英語は時間との勝負なので、

予め決めた順番で解く練習 + 要領よく埋めるor 飛ばす練習

以上の二つを意識して過去問を解いていきましょう。

 

編集者追記

東大英語の時間配分について記事を書いたのでよろしければご覧ください。

【東大英語攻略】合否の決め手は時間配分

 

 

【英語・リスニング】

「キムタツの東大英語リスニング」から始める人が多いです。実際にそれでよいと思います。

 

過去問のコツ⑤:シャドーイングやディクテーションにも取り組んで教材を使い倒す。

シャドーイング=聞こえた英語を喋る

ディクテーション=聞こえた英語を書き取る

 

得意な人は「キムタツの東大英語リスニングSUPER」からでも大丈夫です。後半は本番よりもスピードが速く、雑音も混じっています。これに慣れてしまえば、本番速すぎて戸惑うことはほぼ無いと思います。それでも不安な人は専用のスマホアプリで更に倍速にした音源に慣れると良いでしょう。

 

この二冊を終えて新しいものに取り組みたい人には、ニュース英語がおすすめです。CNNの英語ニュースが載ったCD付きの雑誌を書店で買えます。またiPhoneを持っている人はPodcastでBBCやCNNのニュースを無料で聴けるので、活用するのも手です。

 

編集者補足

リスニングの勉強法について記事を書いたので良ければご参照ください。

【英語攻略法】リスニングを得点源に

 

【世界史】

世界史も本格的に過去問演習に取り組み始めたのはセンター後です。持っている知識を設問の意図に合わせて編集し論述する力が大切なので、知識が無い事には解けません。

 

東大入試での問われ方を把握することで知識を入れる作業も効率的になるため、夏休みに何回か解くことをおすすめします。それを踏まえてセンターまでは知識の穴を潰し、センター後に過去問を解きまくるのが最も手っ取り早いと思います。もちろん他教科も完璧なら早く始めるに越したことは無いですが、センター後でも現役生は十分間に合います。

 

過去問のコツ⑥:世界史は赤本と青本を併用する。

現代文と同じです。青本では採点基準の要素が羅列されており自己採点し易い一方で、詳し過ぎて受験生がこのレベルを目指すのは無理があります。赤本の解答くらい書ければ十分合格できます。

 

解答の詳しさや構成は赤本に寄せつつ、青本で点数になる要素を数えたり知識を補充したりしましょう。

 

【地理】

地理は世界史とは少し性質が違います。知識重視の世界史に対し、地理は論理的に考え記述する力が重視されます。また、差が付きにくく大幅に点数が伸びにくい教科でもあります。

 

高3の夏休み~二学期には過去問を始めて、設問をよく読み必要な要素を漏れなく記述することに慣れましょう。グラフの表題や注を含め、印刷されていることは全て使う意識で取り組んでください。他の教科にも言えることですが。

 

過去問のコツ⑦:古い問題でも大丈夫。

地理の過去問を10年以上遡ると、統計が古過ぎて良くないという意見を聞きます。が、地理で大切なのは思考の過程なので、個人的には古いものも普通に解いていました。統計の古さが気になる人は、国名を答える類の単答問題を飛ばし記述問題のみ練習しても良いと思います。

 

まとめ

英語・筆記:過去問は時間配分を練習するツールとして用いる

英語・リスニング:解くだけで終わらず、丁寧にシャドーイング等行う

世界史:とにかく知識を固めるのが先

地理:解答作成までの思考のプロセスを大切にして過去問を解く

 

以上で卒業生コラムを終了です。

ご質問・ご相談等お気軽にお寄せください。

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